知らなかった!?葉酸の大切さ

女性が妊娠を意識したとき、最初に出会うのが「葉酸」かもしれません。

葉酸はビタミンB群の一つで、ほうれん草の抽出物から発見されたそうです。

水溶性で熱に弱いという特徴をもちますが、赤血球の形成を助ける栄養素であり、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。

でもなぜ葉酸は、妊娠を考える女性や妊娠中、授乳中の女性にとって特に大切な栄養素とされるのでしょうか。

妊娠前から必要な理由

妊娠前から必要な理由

先程、葉酸は「胎児の正常な発育に寄与する栄養素」だとご説明しましたが、具体的には、胎児の神経管閉鎖障害という先天異常のリスクを低減する役割があります。

神経管閉鎖障害とは、簡単に言うと、脊髄がうまく作られず、上下に分離するなど欠損を生じてしまう障害です。

脊髄は妊娠第6週までの妊娠初期に作られますので、特にこの時期に葉酸が不足すると、その障害のリスクが高まることになります。

ただ、妊娠第6週辺りの時期は、まだ妊娠に気づいていない場合も多く、気づいた時にはすでに遅い、ということにもなりかねません。

つまり妊娠を目指すなら、普段から十分に摂取しておかないと、脊髄形成に間に合わなくなってしまう可能性が高いのです。

よって厚生労働省も、「妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月まで、葉酸を栄養補助食品あるいはサプリメントで一日400μg摂るようにしましょう」と呼びかけています。

(※「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」平成12年12月28日/厚生労働省)

妊娠中も必要な理由【赤ちゃんの側から】

では、妊娠3ヶ月を過ぎたら、もう葉酸は特に不要なのでしょうか。

いいえ、そんなことはありません。

厚生労働省も、妊娠3ヶ月以降も、普段のお食事にプラスして一日240μgの葉酸を加えて摂るようすすめています。

その理由は、葉酸には赤ちゃんが成長するための細胞分裂を促進する働きと、赤血球をつくる働きがあるためです。

遺伝情報の継承と発現を担う、大切なDNA。このDNAの合成に、葉酸は欠かせません。

葉酸が欠乏すると、たくさんのDNAを必要とする、細胞分裂の盛んな造血器官などの機能に深刻な影響を与えます。

ちなみに、葉酸の活性化させるビタミンB12が欠乏しても、同様な欠乏症が現れますので、ビタミンB12も一緒に摂らないといけないのです。

葉酸が不足して細胞分裂が促進されないと、当然、赤ちゃんの成長が促されません。

また、葉酸が十分でなければ、細胞分裂の際に起きるDNAのコピーミスから障害を生じるリスクもたかくなるでしょう。

これが初期に起きたものが、二分脊椎症、無脳症といった神経管閉鎖障害や、口唇口蓋裂、ダウン症などの先天性疾患です。

また、葉酸の不足によって生じる貧血は悪性貧血といわれ、鉄分を十分に摂取していても酸素を運ぶ力の劣った、質の低い赤血球が作られてしまいます。

赤ちゃんとは胎盤を通じて酸素や栄養をやり取りしていますが、このやり取りをするのは赤血球です。

その赤血球が十分に機能しなければ、赤ちゃんに酸素が届かず健やかな成長が望めない、ということになってしまうのです。

妊娠中も必要な理由【ママの側から】

妊娠中の葉酸不足は、赤ちゃんの健康だけでなく、ママの健康にも影響を及ぼします。
流産・早産、常位胎盤早期剥離といった、胎盤に関連する妊娠合併症は、母体の葉酸の欠乏による胎盤の形成不全が原因で起こることが報告されています。

「常位胎盤早期剥離」とは、胎児がまだ子宮内にいる内に、胎盤が子宮から剥がれてしまう疾患で、重症の場合は、胎児だけでなく母体の命にも危険が及びます。

また葉酸不足は、妊娠高血圧症候群や慢性的な高血圧、糖尿病、肥満のリスクも高めますので、妊娠中や出産のトラブルを回避するためにも、葉酸を積極的に摂ることが大切になります。

葉酸はどうやって摂ればいい?

葉酸はどうやって摂ればいい?

葉酸は、ほうれん草アスパラガスなどの野菜、イチゴなどの果物に多く含まれています。

また意外にも、動物性食品であるレバーなどにも多く含まれています。

葉酸は一日あたり

妊娠一ヶ月前から妊娠3ケ月までは、一般的な成人女性の必要量240μg+余計に摂る必要がある量400μg=全部で640μg

妊娠3ヶ月以降は、一般的な成人女性の必要量240μg+余計に摂る必要がある量240μg=全部で480μg、

とされていますが、初めにも少し申し上げたとおり、熱に弱く水溶性、という特徴があるため、普段のお食事だけでその量をまかなうことは、かなり難しいです。

ちなみに、平成25年の国民健康・栄養調査では、一日平均が男性で289μg、女性で271μg摂取できているので、妊娠には全く無関係であればよいのですが、妊娠を望んでいたり妊娠中の場合は、余計にとらなければいけない量が足りていません。

なので、付加分はサプリメントや栄養補助食品を利用するのが効率的です。

妊娠準備中であれば、配合されている葉酸が合成葉酸の場合は一日400μg、食事性葉酸の場合は一日800μg

妊娠中であれば、合成葉酸の場合は一日240μg、食事性葉酸の場合は一日480μg

サプリメント等の栄養補助食品で摂るようにしましょう。
なお、1日当たり1000μg(合成葉酸の場合。食事性葉酸の場合は2000μg)以上は過剰摂取になってしまいますので注意してくださいね。

▼ ながいきや本舗の葉酸サプリ

▼ 参照
葉酸解説 – 「健康食品」の安全性・有効性情報

葉酸には二種類ある

店長松村恭子

私が書いています

松村恭子
1966年11月山口県生まれ。丙午のさそり座で、超気性は激しいはずですが、実際は…?

2009年よりながいきや本舗店長として、たくさんのお話をお伺いしています。

また、TCマスターカラーセラピスト、食育指導士としても活動しています。

家族は旦那。夫婦二人を謳歌中です。
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